2012年3月10日土曜日

地震から一年

もうなのかまだなのかわかりませんが、一年になります。
 揺れによる被害しかなかったわたしの身の回りですが、津波に遭われたかた、原子力発電所の爆発で避難されているかたは、本当につらい一年だったことと思います。いつになったら普通の暮らしに戻れるのでしょうか。

 今も原発は毎日のようにニュースに登場しています。一度飛び散った放射性物質を集めるのは大変なことです。それに、集められたとしても、その保管は並大抵のことではありません。だからこそ、中間貯蔵施設の設置場所がニュースにもなるのでしょう。
 また、放射線被曝から逃れるために、あちこち移動せざるを得なくて、そのために亡くなったかたも大勢いるようです。

 一方、津波被害を受けた沿岸部のことは、原発に比べてあまりニュースにはなってきませんでした。一年が経つということで、ここ数日は大きく取り上げられていますが。
 瓦礫の撤去も進まず、その量は普段のゴミの20年分以上です。ときどき自然発火もあるようです。被災地にとっては、新たなスタートをしようにもどうしようもないところもあるようです。

 このようなことを考えても、どうしようもないのかもしれません。それでも、生きて行かなくてはならないのです。

 亡くなられた二万人のかたに哀悼の意を表します。


 萩尾望都の『なのはな』を読みました。よくこれだけのことを調べて、マンガにしたものと感心しました。19ページに土壌の汚染除去のために植物を植える話があります。そこからこの本のタイトルが来ているのですが。でも、放射性物質の濃縮された植物はどうするのでしょうか。結局は、防塵装置の付いた焼却炉で燃やし、煙から回収された放射性物質と焼却灰を、どこかに保管しなければならないのでしょう(ひまわりは効果がなかったとか)。
 「サロメ20××」でプルトニウムの半減期は2万4千年、毒が消えるまで10万年は、とあります。これは、初めのプルトニウムの量がわからないと何とも言えないのではないでしょうか? およそ 1/16 弱にはなりますが。
 「かたっぽのふるぐつ」では、公害に対しての揺れ動く心があったのですが、ここでは作者の考えは明快です。

 書名『なのはな』
 出版社 小学館
 出版年 2012年3月12日初版第1刷

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