2023年2月12日日曜日

松本和代の『青空・スキップ』

 この作者のお馴染みの女子高校生のお話です。 作品名は「青空♡スキップ」とハートマークが入っています。

 主人公の秋美は引っ込み思案で、中学時代には近所に住む甲斐今日子以外に友人と呼べる人はいません。引っ込み思案を治そうとする秋美です。ところが甲斐ちゃんは春休みに町の反対側に引っ越します。父親の海外勤務に母がついて行くことになり、親戚の家に預けられることになったためです。春休みの間に甲斐ちゃんを訪ねる秋美ですが‥‥‥。途中でそれとは知らず甲斐ちゃんの従兄の大沢聖一に出会いからかわれるのです。

 色々あって聖一を好きになっていく秋美ですが、ライバルと思しき二年生が現れたりとかがあったりしますが、最後は聖一が秋美の頬にキスして終わります。

 この人のマンガは紆余曲折がありながらもハッピーエンドなので、その意味では安心して読めます。秋美の引っ込み思案は少しは良くなったのかなあと思います。このマンガに登場する大人は秋美の母と聖一の父の二人だけですが、それぞれ変わった(?)性格です。マンガには出てきませんが、甲斐ちゃんの親も面白そうな人のようです。甲斐ちゃんが「あたしのズボラな性格は親ゆずり!!」と言っているほどですから。

 このマンガは昭和56年(1981年)に描かれたものです。初めのほうに電話が掛かってくる場面があります。慌てて階段を駆け下りる秋美です。読み返して、このシーンは今の若い人には理解しづらいのではと思ったのです。携帯電話の普及する前は、電話は一家に一台でした。友だちに電話する時には、誰が出るのか分からずハラハラドキドキしたものでした。

 上記のような細かい点はさておいて、今でも結構読めるマンガだと思います。

 112ページの食事をしている秋美に母が言う「ひじなんかついちゃって」を見て、子供の頃「食事のとき肘をつくな」と母に言われたことを思い出しました。今の親はそんなことを言うのかなぁ。



書名 『青空・スキップ』 マーガレット・レインボー・コミックス 114

出版社 創美社発行・集英社発売

出版年 1982年5月30日初版発行