表題作は「花岡ちゃん」シリーズの三作目で最終作です。理屈っぽいところは前二作と同じですが、全体から受ける印象が違います。また、タイトルからも想像が付きますが、これは喜劇です。とはいえ、一人の人物、花岡ちゃんにとっては悲劇として現れます。
ではマンガを見ていきましょう。
まず扉絵ですが、これは「ピエタ」のパロディーになっています。花岡ちゃんがマリアに、簑島さんがイエスになっています。全体から受ける印象はどう見ても悲劇の始まりを予感させるものではありません。
ストーリーについては以下を見ていただければ幸いです。これらを読めば分かるとおり、どう見てもシリアスだろうと思うのは当然なのですが、それでもこれは喜劇なのです。
pippupgii.blog.so-net.ne.jp/2008-01-20
wikiwiki.jp/comic-story/ 左のタイトル別一覧から、は~ほを選択し「花岡ちゃんの夏休み」をクリックしてください。この303には「なだれのイエス」までの五作品が載っていますが、ハヤカワコミック文庫にはこの他に二つあります。
お話が始まって七ページ目で簑島さんが生きていることが読者には分かります。簑島さんから電話を受けた映研部長の遠野は、誰とも連絡を取らないようにと簑島さんに言います。まだ携帯電話のない頃のお話です。
簑島さんが帰省したことを知らない花岡ちゃんの獅子奮迅の戦いが始まります。詳しくは wikiwiki.jp/comic-story/ の「花岡ちゃんの夏休み」307および308を見ていただければ幸いです。
以前に読んだときには「花岡ちゃん」シリーズの続編と思っていたし、オチのあるシリアスな話と思っていました。でも、読み返してみると、やっぱり喜劇です。
唯一シリアスかなと思えるのは、終わりから二ページ目の遠野がみやもり坂で転んだというところでしょうか、
前二作とは三年の間があいて描かれていますし、ハヤカワコミック文庫では前二作の次ではなく五番目になっています。
喜劇と割り切って読めば面白いマンガです。
と云うわけで、前に取り上げた『花岡ちゃんの夏休み』と『早春物語』とは別に書いてみました。
タイトル『なだれのイエス』
書名『3丁目のサテンドール』
出版社 集英社 りぼんマスコットコミックス RMC-219
1981年12月19日 第1刷発行
ハヤカワコミック文庫
『花岡ちゃんの夏休み』
2006年3月10日 印刷
2006年3月15日 発行
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