2016年5月16日月曜日

ちょっと休憩 『美の祝典 I -やまと絵の四季』


 東京の出光美術館に表記の展覧会を見に行ってきました。
 顔料の数が少ないのに、着色の作品はそれなりに観られるし、飽きませんでした。

 『伴大納言絵巻』に触れないわけにはいかないと思いますので、少し。
 展示されているのは上巻なのですが、駆けつける検非違使たちから始まって、風下で炎上する応天門を見る庶民と、風上からのんびりと(?)見る貴族たち、場面変わって、天皇を諫め申し上げる藤原良房で終わっています。
 続きが気になるところは、「つづく」で終わるマンガみたいですが。

 風下の庶民の多くの烏帽子が渦を巻くように描かれているのは、火災旋風を表しているとのことで、なるほどなぁと感心してしまいました。関東大震災や東京大空襲の時のことは本で読んで知っていましたが、平安時代にも知られていたんですねぇ。
 炎上する応天門では、炎の描き方に引き込まれました。赤と朱の二色しか使われていないはずなのにもっと色数が多いように感じました。

 応天門炎上は貞観8年(866年)で、絵の描かれたのはそれからおよそ300年後とのことで、赤穂浪士の討ち入りを現代の人が描いたのと似たようなものかと思いました。
 貞観と云えば、6年には富士山が噴火し、11年には大地震が起こってと、その間の時期に都ではこんな事があったのですかとの感想を抱きました。


 東京都美術館にも行ってみたのですが、行列の長さに挫けてしまいました。国立西洋美術館で『カラヴァジョ展』を観て帰ってきました。

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