今回は短くなります。読んでいていろんな想いが渦巻いてしまいました。
目次の次のページに、「この物語は、実在するテーマを題材としたフィクションです」とあります。
沖縄の女学生の学徒隊の物語です。主人公はサンという名前で、タイトルのとおりに繭の中でいつか羽化する日を……と願うのですが……。
15ページの蚕の話が最後の話につながります。
ここではお話のあらすじはほとんど書きません。あまりにも悲惨な内容なので。
でも、現実はもっと悲惨だったろうと云うことは想像できます。
66ページの「目が見えなくなったひなちゃんは幸せだ この現実を見ないですむのだから」には、どきっとさせられました。ひなちゃんは次の章で亡くなります。
看護隊の解散命令を受けて、サンたちはガマから追い出されます。そこからは、もっと悲惨な目に遭うことになります。手榴弾で自決する級友たちと、それができずに逃げ出すサンとマユ。マユは銃撃を受け亡くなってしまいます。
最終章では、「繭が壊れてわたしは羽化した」「羽があっても飛ぶことはできない」「だからーー生きていくことにした」のサンの思いで終わっています。
目次と帯は旧字体で書かれています。
ソ連軍が満州に攻め込んだときも同様ですが、軍は国民を護るために存在するのではありません。軍が護るのは国なのです。
書名『cocoon』
出版社 秋田書店
平成22年8月20日 初版発行 手元のは平成25年8月25日 五版です。
帯に戦後65年とあります。今年は戦後70年と云うことで、いろんな事がありました。
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