このマンガは作者のデビュー作です。大学生のキャンパスライフを描いたものですが、いわゆる青春マンガではありません。
舞台は私立小田巻大学です。そこに通う市毛ひがみと数人が主な登場人物です。ひがみは一見すると小学生のように小さな女の子です。学生証や定期券をなくしたところからお話が始まります。
70年代から80年代というと、大学が都心から郊外へと移転していた時期なのでしょうか、ただし、この大学は新設大学です。資金がなくて、田舎に大学を作ったようです。
いったいどこら辺りを作者は考えていたのでしょうか。このマンガを読んでいて、初めは東京の西部かと思っていたのですが、「海辺の人々」で、間違いに気づいたのです。第三巻の57ページを見ると神奈川県のようです。
追記:小田巻なら鎌倉だと気づきました。簡単なことなのに。(2015/12/27)
終わりから二番目の「小田巻大学の崩壊」で、資金繰りが付かなくなって大学は倒産してしまいます。最後の「小田巻にお越しの節は」で、このマンガには何度も登場している大地主の与作が、再建資金を都合してくれて、与作ちゃん立小田巻大学として大学は復活します。ただし、農作業が必修としてですが。
このマンガを読み返してみて、三巻の穴埋めページのてぃー・たいむが、こんなに面白いことが描いてあることをすっかり忘れていました。
その後の登場人物と作者との茶飲み話なのですが、これがなかなかのものです。自分で作った登場人物とはいえ、性格がうまく描かれています。
書名 『ひがみちゃん・Jam』1〜3巻
出版社 白泉社 花とゆめCOMICS 301, 422, 423
1982年1月25日第1刷発行 第1巻
1982年9月25日第1刷発行 第2巻
1983年7月24日第1刷発行 第3巻
第1巻の巻末にはパタリロの第10巻、第3巻の巻末には第18巻の広告が載っていました。
この大学のモデルになったのは町田にある和光大学ですよ。作者がそこの卒業生なので。小田巻という名前は小田急線のもじりでしょう
返信削除大学のモデルの情報有難うございます。小田急のもじりだったのですか。
返信削除小田巻で静の小田巻から鎌倉と思ってしまいました。
今は下りの電車も混雑しているようですが。