6月11日で地震から丸三か月になります。地震のときには、普段は何の意識もしなかったことやものが、こんなにもありがたかったのかと思いました。
その代表が、水と電気でした。水の入ったペットボトルをぶら下げて、階段を登りながら思い出したのが、星新一の表題のショートショートでした。
「ひとにぎりの未来」に載っている作品です。
すべてが満たされた未来、人びとにそのありがたみを知ってもらうために設けられたのが「○○の日」です。「休電日」には、24時間電気が完全に止まります。「保険の日」には、何があっても保険金は支払われません。
なにかを完全に止めることで、その止められたもののありがたみを知らしめるのです。
電気はスイッチを入れれば、水は栓をひねれば使える、この当たり前のことがこれほどまでに大事なことだったとは。いつの間にか、空気のような存在になっていたものの価値を、改めて認識させられました。
しかし、いつの間にか、そのような思いは薄れてきているのに気づいて、少し情けなく思っています。
三か月が過ぎました。まだまだ余震への心配はありますが、とりあえず前を向いていこうと思っています。
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